自分への偽り

2/9
前へ
/178ページ
次へ
1時間ほど話し、聖ともだいぶ打ち解けてきた頃、突然聖が話しかける。 『カズ君、ちょっと2人で話さない?』 一瞬戸惑うも、和広と聖は病室を出て、病院の待合室へと歩く。 待合室に着くと聖は煙草に火を点け、一息つく。 和広が先に口を開く。 『あの…聖さんは、ちぃちゃんの彼氏…なんですか?』 聖は照れながら、 『うん。そうだね。ゆくゆくは一緒になりたいと思ってる。』 複雑な気分だ。 今まで自分を可愛いがってくれた大好きな千賀代が自分の知らない人と付き合ってるわけだから当然納得がいくわけがない。 和広はグッと唇を噛み締め、 『聖さん!俺、ちぃちゃんの事好きなんです!!』 『えっ……』 聖は驚きを隠せなかった。
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加