雨と桃色の傘

14/16
前へ
/112ページ
次へ
「そっか。へへっ、あんまり意識してなかったから、そんな風に考えた事がなかったけど…。 この自転車、大切だから、体が勝手に動いちゃうのかな…」 頭をぽりぽりと掻いた。 「子供の頃は、私もそうだったのかなって。 今も、物は大事にするけど、何でも使い捨ての時代だから…。 なんか、少し感心しちゃって。だから、お節介とは思ったんだけど、話しかけちゃったの」 ゆっくりとした口調。 こんなに近くで女の子を見たのも、悠にとっては初めてだった。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加