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「でも、やっぱり貰うのは申し訳ないよ。
出来れば、ちゃんと返したい…それに」
胸が、ドキドキした。
「また、君に…会いたいんだ」
悠は女の子の目を見て、はっきりとした口調でそう言った。
女の子は、なんだか嬉しそうにこう答えた。
「分かった。私、大体いつも夕方くらいに、この公園の前を通るから。
あなたがここに座ってたら、また声を掛けるわ。約束ね」
女の子はゆっくりと立ち上がり、悠の正面に回った。
「なんだか、不思議なんだけど。あなたとは、初めて会った気がしないんだ」
―――僕も。
と、悠は心の中で、そう呟いた。
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