第一章

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  しばらく二人の様子を眺めていると、 不意に金髪が振り返り目が合う。 彼はニヤリと笑顔を携え、こちらに向かってきた。 「よぉ、お前も試験を受けに来たのか?」 「……ここに座っているんだ。当たり前だろ」 「ははは、まぁ確かにそうだな! 俺はシン=アハトナ。お前は?」 「俺は……イェル=ハーティスだ」 「イェルか、よろしくな!」 あははと陽気に笑いながら隣に座るシン。 明るく元気と言えば聞こえは良いが、イェルからしたらうるさいだけである。 「なぁ……、お前うるさい」 「おっと、悪いな。同年代の友達なんていなかったからな!」 少し恥ずかしいのか視線を外すシンに対して、イェルは呟いた。 「可哀想な奴……」と。 「何か言ったか?」 「いや、何も言ってない」 平然と答えるイェルに、 「何か聞こえた気がするんだよなぁ」 と首を捻るシンだった。  
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