221人が本棚に入れています
本棚に追加
まさかと思い、彼方へ飛ばした筈のイェルを見ると、
自分の名前を今初めて知っただろう彼は自分にだけ見えるように
その口に人差し指を立てた後、前に向きなおったのだった。
「あ、いえ。それでは、失礼します」
「うむ、わざわざ御苦労じゃったの」
そう言って、幾分余裕を取り戻したミュラーが心の中でガッツポーズをしながら退出していくのを、
イェルはニヤリと笑って見送ったのを彼女は知らない。
「それでこの後のことじゃが、明後日行われる筆記試験には出席しなくて良いからな。
一週間後、試験の結果が分かるんじゃが、その日にまた集まってもらうからの。
時間はこちらから連絡しよう」
また後日、ということで今日は解散になった。
転移を使用し無事に部屋に戻り、疲れを無くすために夜遅くベッドで目を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!