第三章

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  「ただいまー」 イェルが扉を開きながらそう言うと、 すぐに見知った二人が帰りを迎えてくれた。 「おかえりなさーい、試験はどうだった?」 息つく間も無く迎えてくれたのは、ミスト=ハーティス。 女性に年齢は尋ねるものではないが、 怖くてそんなこと聞けないため年齢不詳。 薄い紫色の眼と髪を持ち、 イェルの姉と言っても通るくらいの若さも兼ね備えている。 イェルの育て親であり、師匠でもある。 一時期軍の特別部隊に在籍していたこともあるので腕は一流。 現在は自然いっぱいのこの地で悠々自適に日々過ごしている。 「おかえりなさい、マスター」 イェルのことを「マスター」と呼び迎えてくれたのは、 イェルの使い魔で名前はレストという。 見る者全てを魅了してしまいそうな、 それ自身が光を連想させる印象的な髪と眼をもつ。 全体的な使い魔としての説明はここでは省略させてもらう。  
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