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開いた扉の前に立っていたのはレスト。
「少し話を、よろしいですかマスター」
「あぁ……、入ってくれ」
イェルに続き部屋に足を入れるレスト。
しかし、
ある一点で視線が止まり、歩みも止まった。
「マスター、」
「……まぁ、座れよ」
レストの意を知ってか知らずか、続く言葉を遮って、
イェルは腰を下ろした。
しばしの間が空いてから、それにレストも従った。
「……お前の言いたいことは分かる。これだろ?」
そう言って持ち上げて見せたのは、漆黒のローブ。
「はい、いつまでそれをお持ちになるつもりですか?」
レストの相対するような瞳は、ソレを射抜くように鋭く光っていた。
「それは、いえ、それを持っていても……!」
「…………」
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