第三章

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  開いた扉の前に立っていたのはレスト。 「少し話を、よろしいですかマスター」 「あぁ……、入ってくれ」 イェルに続き部屋に足を入れるレスト。 しかし、 ある一点で視線が止まり、歩みも止まった。 「マスター、」 「……まぁ、座れよ」 レストの意を知ってか知らずか、続く言葉を遮って、 イェルは腰を下ろした。 しばしの間が空いてから、それにレストも従った。 「……お前の言いたいことは分かる。これだろ?」 そう言って持ち上げて見せたのは、漆黒のローブ。 「はい、いつまでそれをお持ちになるつもりですか?」 レストの相対するような瞳は、ソレを射抜くように鋭く光っていた。 「それは、いえ、それを持っていても……!」 「…………」  
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