第三章

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  「悪いな」 「ちっとも誠意が感じられません。 本当に悪いと思っているんですか?」 「全然」 ふふ、と呆れたように笑う声が聞こえた。 「……まったくもって貴方という人は」 「なんだよ」 「いえいえ、私がマスターの良き理解者で良かったですね。 でもあまりソレに縛られてますと、 ……後ろからザックリ殺っちゃいますよ?」 「あ、はは……、気を付けます」 そこでまた沈黙が訪れる。 二人とも何を思い、何を見ているのだろうか。 不意にぽつりとレストは言葉を洩らした。 「マスターを葬るのは私です……」 二人の視線は合わさり、さらに続けて言う。 「だからそれまで、死んではダメ、ですからね」 イェルは頷きそれに答えた。 そして、 夜は深く深く、 幾多の思いを包み、更けていった。  
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