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「あぁ、派手に行くぜ」
ニヤリと笑いながら、今まで戦ってきた仲間たちにも言い聞かせるように言った。
もはや先程まであった父の顔は無くなり、一人の戦士として、兵を率いる将として、悠然と佇む男がいた。
仲間たちを一瞥し、妻と息子に頷き、
自らの使い魔であるドラゴンに跨り飛び立っていった。
残された者たちは最期の命令を守るべく、“今は”生きるため逃げる。
納得がいった訳ではなかった。
このまま彼の後に続き、飛んでいきたい。
皆がそう思っているはず。
しかし、“今は”ただ逃げる。
力を蓄え、そう遠くない未来、理想を現実にするために……。
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