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* * *
朝とも言えない夜明けの世界。
鳥たちは早くも囀り合い、人間たちは未だまどろみ彷徨う。
光も十分に届かない薄暗い森の中、見慣れぬ人間たちが歩いていた。
景色に溶け込むことのない、純白のローブに身を包んでいる。
数は二人。
そのどちらも他の術者とは一線を画する雰囲気を纏っている。
「まさかこんな僻地に来ることになるとはな……。
こんなところに本当に“無涯”はいるのか?」
「シュリさんが言ってましたから間違いないでしょう。
もう少しですから、先を急ぎましょう」
ザッザッザと地面を踏みしめ歩き出す。
「ミル」
「えぇ、……誰かさんに見られてるわね」
「“無涯”か?」
二人は立ち止まり周囲の気配を探ろうとした。
――が、
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