第三章

12/28
前へ
/101ページ
次へ
  漆黒のローブは政府軍の証。 純白のローブは反政府軍の証。 この世界ではそれが周知の事実である。 「“無涯”、どうする気だ?」 「……まずこちらの質問に答えてもらえるかしら?」 「それにお前は何者だ?」 どうにか自分たちのペースにもっていき、優位な情報を手に入れる。 駆け引き、腹の探り合いと言ってもいい。 しかし、 「“無涯”、どうする気だ?」 黒は再び同じ言葉を繰り返したのみであった。 「おいおい、」 「“無涯”、どうする気だ? 返答によっては、質問に答える」 何か言おうとした白を遮り、再び同じ言葉を言った。  
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加