第三章

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  「……オンルッカー」 「on-looker[傍観者]ねぇ。 どうせ傍観者でいるつもりもないんでしょうけど」 「さすがミスト姉、分かってらっしゃる」 ミストが呟いた言葉に、軽い調子でイェルが答える。 「ふふ、じゃあ傍観者さん? お客様を呼んできて頂戴」 黒、オンルッカーは無言のまま頷き、外に出て行った。 「あんまり無理すんなよ……?」 「何、もう真面目な顔しちゃって。……大丈夫よ、姉さんを信じなさい!」 そう言ってミストは微笑んだ。 それは窓からの明かりにまたたき、儚げで綺麗だった。  
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