第三章

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  * * * ミストたちが話し合っている家の外では、律儀にも大人しく二人は待っていた。 「あー、遅ぇな……。 これが終わったら今度は北に偵察か、かったるいな……」 「ちょっと五月蠅いですよ、カシス。一応任務なんですから」 「あー? 勧誘とか偵察とか、まどろっこしいこと俺には向いてないんだよ」 「確かに、否定はしませんが……。人員確保は急務ですよねぇ」 「お? 出てきた出てきた」 扉から黒が出てくる。 相変わらず顔は見えず、眼を離したら掻き消えてしまうのではないか?  そんな印象を改めて持たせる。 「待たせた、入ってくれ」 そう言って、扉を開けたまま二人が入れるように、一歩脇によける。  
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