第三章

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  「ルーテシアで特待生ですか!? それは将来がとても楽しみですね、 どうせなら弟さんもご一緒に、」 「おい、ミル。やめとけ。 殺し殺される覚悟がねえ奴はいらねぇんだよ」 「さすがに私も分かってますから、冗談ですよ。 弟さん、特待生という立場に酔うことなく精進してくださいね。 ……話は戻りますが、返事を聞かせてもらっても?  急な話ですが、こちらもあまり時間がない状態でして。 この後は北方に向かわなければなりませんし」 そこまで会話を黙って聞いていたイェルだったが、 隣に座るミストがかろうじて聞き取れるくらいの小ささで呟いた。 「……全然俺の話聞いてねえよ」 ミストは苦笑いでイェルの方を一瞬見たが、 すぐに真剣な表情に戻りミルに向きなおった。  
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