221人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
―魔法学園ルーテシア入学試験―
そう銘打たれた今日。
この時期には、
各地からこの王立のエリート学園であるルーテシアに入学すべく、
大勢の少年少女が詰め掛けることになる。
まだ試験開始には幾分余裕がある今、
広大な敷地を前にぽけーっと突っ立っている少年がいた。
その少年は、漆黒の髪に深い蒼眼を持っていた。
「広い、な。ここが学園か……」
彼ももちろんこの学園に入学すべく、今日試験を受けにきていた。
立派な門をくぐり、案内に従いドーム型の建物へと向かう。
中に足を入れると中央に広い場所を残し、そこを囲うように観客席が用意されている。
いわゆる闘技場で、ここで試験を行うらしい。
この学園、ルーテシアの入学試験は実技と筆記の2つで日を分けて行われる。
そして初日の今日は実技。
闘技場に案内されたということは、どうやら模擬戦でもしなければならないようだ。
最初のコメントを投稿しよう!