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コツコツ、と誰もいない長い廊下に音を響かせながら一人の男が歩いていた。
彼の全身は漆黒のローブで包まれ、しかしフードだけは外されており、
顔だけは確認することができた。
眼と髪は深い黒、髪はオールバックにされ、年齢は四十前後といったところだろうか。
鋭い、見る者を委縮させるような眼を真っ直ぐに、
彼は厳重に警備された奥の部屋へと足を向ける。
「御苦労様です! どうぞ、お入りくださいクロリア隊長」
敬礼をしてその重々しい扉を開ける男性に、
クロリアと呼ばれた人物は頷いて足を踏み入れていく。
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