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ある男って誰? ってわかるわけねぇよ。男たくさんいすぎだろ。 しかしわざわざ人に会うためにこんな学校入るなんて、変わったやつもいるよなぁ。 「……?」 視線を感じ振り返る。 ……そこには柱の影から俺のことをじっと見つめる男がいた。 「何?先生……」 俺が不機嫌に答えるとそいつは照れながら出てきた……キショッ。 「いやぁーバレちゃったか。」 先公の小野平。 きっちりした七三分けにびん底レンズ。 耳に付くようなねっとりした喋り方と何度も眼鏡を上げる仕草が特徴だ。 はっきり言ってかなりウザい。いつもどーでもいいことでねちねち絡んでくる。 ……しかも何か最近…… 見られているような……。 「リク。さっきのは転校生かい?」 「あー。そうだけど何?」 「いや……ずいぶん仲良さそうで……感心したよ」 「別に。そんなんじゃねーけど」 ……。続く沈黙。 そして、視線を感じる。 小野平は、俺を頭から爪先までじろじろ見ている。 「……、何だよじろじろ見やがって……」 「髪の毛の色……校則違反じゃないか……」 はぁ? 「俺以外にもたくさんいるじゃん」 シュウなんて金髪だし。 「いや……お前が一番目に付く。それに傷んでいるじゃないか……ちょっと先生に見せなさい」 小野平はそう言って俺の髪に触れてきた。 「ほ、ほらやっぱり……」 そう言いながらにやにやしている小野平。いっこうに手を離さない……。 「……っ」 思わず自分から離れた。 気色悪りぃ。何考えてんだよ……。 「早く黒染めしなさい……。それが出来ないなら私が切ってあげようか?」 そう言って再び髪触ろうとしてくる小野平。 あり得ねー、キモすぎ。 俺は小野平の手を振り払った。 「うぜーよ!キモいんだよ。」 俺は逃げるようにその場から走り去った。 あーキモかったー。
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