誰がビッツをやったのか?

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レオンは少し俯くと何か考えた後に顔をあげて話しだした。 「そんなに聞きたいなら教えてやる。 俺は元警察だ。警察の特殊部隊にいたんだよ。 これでわかっただろ?だから警察の行動がよめる、武器のあつかいに慣れてる。 ビッツは俺の過去を知って声をかけてきたんだ。俺は金が必要だったから話しに乗ったんだ。 お前達に元警察だって言ったら今回の強盗はうまくいったと思うか? 警察を憎んでる奴は多い。トンプソンだって憎んでるはずだ。そんな奴にかぎって勝手な行動をするんだ。だから俺はお前らに過去を隠していたんだよ」 スターは納得したように言った。 「やはり特殊部隊だったか。俺は薄々気付いてたぜ、あんたのみのこなし、銃の構えかたに視線の配りかた。あれは訓練をうけた者にしか出来ないからな。 しかしなんで警察をやめた?」 レオンはため息をついてから続きを話した。 「麻薬だよ。特殊部隊にいると、信じられないくらいのストレスなんだ。 お前達は手をのばせば相手に届きそうな距離で銃撃戦をした事があるか? 耳に聞こえてくるのは銃声と叫び声、硝煙の臭い、血の臭い。 やらなきゃ俺がやられちまう。その極限状態は言葉にできない。そのストレスから開放されたくて麻薬に手をだしちまったんだ」
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