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レオンはさらに話しを続けた。
「そして銀行から奪った金まで無くなっていた。
金を持っていたのはビッツだ。ビッツなら信用できるから金をかついで逃げるのはビッツの役目だった。ビッツは確かに金を持って小屋に入った。だが小屋の中には金は無かった。あれだけ小屋の中を探したのに見つからなかった。とは言っても浴そうに火がついてて、その火の勢いが凄まじく消せないと判断して、それから燃えていく小屋の中を探したわけだから、見落とした可能性もあるわけだがね。
しかしビッツを殺して金を奪った奴が小屋と一緒に金まで灰にしてしまうわけがない。金はビッツを殺した奴が何処かに隠したに違いない。
そしてビッツが殺された時に小屋に居たのは俺達だけだ。それにあの小屋の事を知っていたのも俺達だけ。
つまりビッツを殺した奴は俺達の誰かって事になる。
トンプソン、お前はビッツが殺された時に何処で何をしてた?」
「おいおい!俺をうたがってるのか?」
トンプソンがレオンにそう言った。レオンを含めた皆がトンプソンを無言で見つめる。そのなんとも言えない無言の圧力で緊張したトンプソンは、ぎこちなく話し始めた。
「お、俺はあの時は小屋の外にいたよ。外の空気を吸いたかったんだ」
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