黄緑

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カツカツと教師が黒板に文字を連ねる小気味良い音を聴きながら、窓の外を眺める。 天気は申し分ない快晴。 (…屋上でサボれば良かった) 雲一つない空を見上げながら真面目に授業に出たことを後悔した。 授業を完全放棄し、頬杖をつきながらボーッとしてると、不意に感じた視線。 教師に睨まれていると思い、慌てて教室内に視線を戻すが誰も俺を見ていない。 クラスメイト達は真剣に板書しているし、教壇に立っている教師もこちらに背を向けたままだ。 (…気のせい?) 再び頬杖をついて外を眺めていると、やはり感じる視線。 また慌てて教室内に顔を向けても先程と何ら変わらない光景。 出所の分からない視線を送ってくる相手にイライラしながら外に顔を戻すと、フとかち合った視線。 「あ。」 原因発見。  
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