覚悟

2/2

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
広大な砂漠のようなフィールド… その只中で、別れの時は訪れた この時がやってくるのは分かっていた、元々彼と私はとは相容れぬ存在なのだから 「さぁもうすぐだ、早く行こう」 覚悟もしていた、彼を危ない目に遭わせるわけにはいかない。彼は、私が守るべきプレイヤーなのだから… 「ありがとう」 そう、彼はプレイヤー……私はAIとして彼を守る、それだけ… 「でも私は…一緒には行けない…」 ただそれだけのはずなのに私は…それだけの存在のはずなのに… 「何を…」 なぜこんなにも、彼と別れるのが 「こないで!!」 悲しいのだろうか [システム管理AI name/リディア]の権限を持って[街壁]を緊急展開……[認証完了][命令確認]{街壁緊急展開・開始} 砂の海の下から凄まじい勢いで漆黒の壁がせりあがり、それは測ったように私とレオン君を分断する 「なっ…なんだよこれ…!」 [システムエラー]過負荷によりフィールドの一部を危険と判断該当地域のプレイヤーを強制的にログアウトします 「な…!これがログアウトか!?待てよ!リディアがまだ中に!」 「街壁」の外側でのログアウトが始まる、レオン君はまだ街壁の近くをうろうろしている。 伝わらないと分かっていても、彼への想いが口をついて出てきてしまう 「早く…行きなさい」 その次の瞬間、彼の反応が消えた…
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加