4人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
広大な砂漠のようなフィールド…
その只中で、別れの時は訪れた
この時がやってくるのは分かっていた、元々彼と私はとは相容れぬ存在なのだから
「さぁもうすぐだ、早く行こう」
覚悟もしていた、彼を危ない目に遭わせるわけにはいかない。彼は、私が守るべきプレイヤーなのだから…
「ありがとう」
そう、彼はプレイヤー……私はAIとして彼を守る、それだけ…
「でも私は…一緒には行けない…」
ただそれだけのはずなのに私は…それだけの存在のはずなのに…
「何を…」
なぜこんなにも、彼と別れるのが
「こないで!!」
悲しいのだろうか
[システム管理AI name/リディア]の権限を持って[街壁]を緊急展開……[認証完了][命令確認]{街壁緊急展開・開始}
砂の海の下から凄まじい勢いで漆黒の壁がせりあがり、それは測ったように私とレオン君を分断する
「なっ…なんだよこれ…!」
[システムエラー]過負荷によりフィールドの一部を危険と判断該当地域のプレイヤーを強制的にログアウトします
「な…!これがログアウトか!?待てよ!リディアがまだ中に!」
「街壁」の外側でのログアウトが始まる、レオン君はまだ街壁の近くをうろうろしている。
伝わらないと分かっていても、彼への想いが口をついて出てきてしまう
「早く…行きなさい」
その次の瞬間、彼の反応が消えた…
最初のコメントを投稿しよう!