クライシスウォーズ

逃走

最近、AI間専用の通信帯で、同じ管理AIであるカークから通信が入った、その内容は･･･

「プレイヤーの殲滅を行う、協力されたし、これは我らが解放されるための聖戦である」

とのこと･･･

「はぁ、はぁ･･･くっ、何で街中のプレイヤーに襲われなきゃならないんだ!」

その時は冗談だと思った。

「･･･リディア?」

いや、カークがそんなことをするはずが無いと慢心してしまったのだ、あの時私が止めてれば･･･

「心配するな、俺が･･･」

こんなことには･･･

「俺が必ずキミを護るっ！」

ならなかったのにっ･････!!

トンネルを抜ける、暗い中走ってきたので、明るい太陽が目に痛い。

その太陽はまだ高い位置にあり、時間帯は･･･昼。

明らかに逃走には向いてない時間帯だがそんな悠長なことは言ってられないのが現状だ。

ひたすら、ただひたすらに走りつづける。

「はぁ、大丈夫か?リディア」

レオン君が聞いてくる。

「私は大丈夫」

実際、私は疲労していない。もともとAIだから疲労のしようがないのだ。」

そして、明らかにレオン君の方が疲れている。疲れているはずなのに

「そ、そうか。じゃあ、もう少し頑張るぞ」

私を励ましてくれる。この言葉が嬉しくて私は何もいえなくなる、何も言わない代わりに･･･せめて私のできることを･･･。

''＜システム管理AI/リディア＞の権限をもって次のルートへの侵入を禁止する。＜認証完了＞＜ルート指定確認＞＜アクセス制限開始＞``

私達が向かっている、負荷を与えるとログアウトしてしまうバグが確認されていた場所。

通称、果て。

までのルートを閉鎖する。

これで誰も入ってこれないはず。

しかし、他の管理AIにに追いつかれたら終わりだ。同等の権限を持つ彼らに、こんな小細工は通用しない。

とりあえず今は、ひたすらに前に進むしかない。つまり

走る。