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「リディア!橋が見えたぞ、もう少しだ!!」
ここに来て、私は迷っていた。
一緒に行くべきか否か、と。
一緒に行けば、レオン君は無事ログアウトすることが出来る。
しかし、私がただのプレイヤーではないときづかれるだろう。
それが、たまらなく怖い。
しかし、言い出せずに橋の中ほどまで、手を引かれついていってしまう。でも、そこで決心した。
これ以上彼を巻き込んではいけない。もうすでに、ここ全体に凄い負荷がかかっている。
果てにたどり着きさえすれば、強制的にログアウトは始まるだろう・・・
私がついて行く必要はもう……無い。
「あの…レオン君、あのね・・・・」
「ん?なんだ」
「私、ここでレオン君と…」
別れの言葉を継げようとした時、突如爆音と共に粉塵が舞い上がる。
空から、何かが降ってきたのは分かった、そして響いたのが轟音。
そして、追い討ちをかけるように響くのは…聞きたくなかった声。
「ふん、最後まで俺の通信を無視しているから来てみれば…なんだ、プレイヤーに情でも移ったか?」
「カーク・・・・っ!!」
「おい、リディア。こいつを知ってるのか?」
「つーか…あいつが持ってるあの剣みたいなの、ありゃ…なんだ?」
そう、カークはすでにAIの自衛用プログラムである、武器を抜いていた。赤い光で構成された…片刃の大剣を。
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