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戦闘で勝ち目は無い。何とか、私が何とかしないと!
「待ってカーク!こんな事をしては…」
「おっと、リディア。俺はお前と仲良く話をしに来たのではない」
「俺は殺しに来たんだよ、お前をな」
彼があっさりと告げたその言葉は、彼が絶望的な狂気に犯されたのを示唆していた。もうその狂気から逃れられないことも。
呆然とする私を嘲笑いながら、カークが片刃の大剣を私に向かって振り下ろす、が
その剣は、横合いから割り込んだ<道路標識>にあっさりと受け止められた
『は?』
くしくも、カークの声と私の間抜けな声がかぶる。
私とカークの間、そこにはレオン君が、
正確に言えば<道路標識>を剣の様に構え、カークの一撃を受け止めたレオン君が立っていたからだ。
そしてレオン君がカークに告げる。
「お前…リディアを殺す…とか言いやがったな?」
「ああ、こいつは、邪魔なんでな。始末させてもらう」
その言い草に、レオン君が怒りを感じているのが容易に想像できる。レオン君は高圧的な言い方をする人が嫌いだから。
「そうか、なら先にな、俺が、お前を、殺せばいいんだな!」
「はっ!そうなるか!おい、リディア!!お前も大概好かれたもんだな!」
そんなカークの安い挑発に
「のやろぉ!だまれぇぇ!」
レオン君は飛び込んでしまう!
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