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「小山…。もし…手越があのままだったら…。結局、シゲとそうなることをどこかで望んでいたってことになるよね…。」
「P…俺…どうしよう…。心の中…ぐちゃぐちゃなんだけど…。」
「ぐちゃぐちゃ?」
「うん…。現実の世界じゃ、手越が好きなはずなんだけど…。Pに傾きつつあるから…。」
「こ…小山…。だめだよ…。でも…。」
「でも?」
「でも…俺も…。ああ、どうしよう…。実は俺も…ぐちゃぐちゃ。」
「Pも?」
「うん。俺は全くノーマルな人間だと思ってたのに…。何をもってノーマルっていうのかっていう問題があるけど。…ふつうに女の子が好きだと思ってたんだけど…。どうしてだろう…。」
「P…。どこかで…もうたくさんだよって…思ってたんじゃない?」
「あ…。そうかも…。全く理解できない人種だもん、女の子は…。そんなこと、大っぴらに言えないけど…。」
「俺の中には男とか女とかないけどね。」
「ん?」
「つまり…好きになった相手がたまたま女だったり、男だったりってこと。」
「それが手越か…。」
「そのはずなんだけど…。今…揺らいでる。…P…。もし…もしもなんだけど、このまま何日経っても戻らなかったら…そんときはもう一回、改めて告白するよ。」
「え?」と、少しドキマギする山下。
「いいでしょ?P…。」
「…うん。俺もそのときまで…気持ちが戻らなかったら…ちゃんと返事する。」
照れながら見つめ合って視線を逸らした。
ふっと山下が思い出したように言った。
「あっ。亮ちゃんとまっすーは?」
「ああ、どうだろ。バーチャルの世界じゃ、あの2人、ラブラブだったけど…。」
と2人で手越とシゲをはさんだ向こう側にいる錦戸と増田を見た。
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