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「錦戸くん…チョーびっくりしたね、バーチャルって…。」
「びっくりしたどころじゃないって。ありえへん。なんか…となりの2人はすっかりその気やけど…。俺は、ばっちり現実に戻ったで。まっすーは?」
「俺もそうです。なんか、目を開けて、この部屋を見た瞬間に現実に戻っちゃった。」
「それが普通なんやって。バーチャルに行く前に、案内人の人が言うてたもん。俺らは普通やで。」
「あっ、そうなんだ。じゃ、俺と錦戸くんはふつうに女の子が好きなんだね、それじゃ。」
「そやな。まあ、まっすーのことは普通にメンバーとして好きやけども(笑)。」
「あっ、一緒。これからもメンバーとしてよろしく(笑)。」
と、2人で握手をした。
「あの2人は、しっかり現実に戻ってるよ。」
と小山。ちょうど握手しているところを目撃した。
「ほんとだ…。6人いて、こうも違うのか…。」
案内人が全員を見渡して、
「ご自分のタイミングでよろしいのですが、あと30分ほど経ちましたら、退室の時間となります。
その場合、徐々に部屋の照明を明るくしていきます。
30分後には最初に部屋に入られたときと同じ明るさに戻します。出来ればそれまでに退室頂きますようにお願いします。」
と丁寧ながらも30分後には部屋から出て欲しいと促していた。
「分かりました。」
山下がリーダーらしく、全員を代表して答えた。
「では、私はこれで失礼します。」
と丁寧にお辞儀をして部屋を出ていった。
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