金髪青年と眼鏡看護師

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「そのままシコってくわえてね、口で」 覚悟を決めた筈の俺の手が固まる。 目の前でニコニコと笑う金髪青年は、今何と言ったのだろうか。 「早瀬さーん、俺は足が痛いって言うから屎尿瓶持って来たんですよー、ってか!お前絶対元気だろゴラァアアアア!」 病院の個室。 しかもウチの病棟の中で一番広い部屋で、俺は屎尿瓶片手に怒鳴った。 婦長や主任がこの場に居たなら、「病院では静かに!」とこっちが怒られるだろう。 「りっくん怖ーい。つーか入院生活で溜まって溜まってしょうがないべ!?」 「誰がりっくんだ!患者様そこまでお世話は出来ません」 「えー…」っと、あからさまに気を落とす目の前の男は、早瀬 栖明 (ハヤセ セイメイ)18歳。 数日前に交通事故でうちの病院に搬送され、こうして俺の病棟に入院してきている。 年頃の男子って事もあり、同じ男の看護師である俺、雨音 陸汰(アマネ リクタ)21歳が受け持ってからと言うもの、何かと早瀬に絡まれる事が多かった。
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