金髪青年と眼鏡看護師

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「分かった、トイレまで行くから連れてって~」 「はいはい」 やっぱり動けるじゃないか、と心の中で悪態をつきながら車椅子をベッドの横に付ける。 松葉杖もあるが、病院では圧倒的に車椅子の方が多かったりする、それは断然的にこっちの方が安全で安楽で早いからだ。 リハビリの事を考えると松葉杖の方が良いんだがな。 「(かなり不本意ですが)俺の肩に捕まって下さい」 「はーい」 早瀬をベッドサイドに座らせ、対面するように立つ。 早瀬の腕を俺の肩に回して、俺は早瀬の腰の辺りで手を組んだ。 はたから見れば抱き合っている様にしか見えない体制だが、これが基本の患者の立たせ方だ、このまま抱き上げて車椅子に乗せる。 老若男女を1人で持ち上げるナースさんは、かなりのパワフルって事だな。 個室内に設備されているトイレまで車椅子を押していき、同じようにして様式の便座に座らせた。 「それじゃごゆっくり、終わったら呼んで下さい」 「見てねーの?」 「見ない!」 .
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