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ナースセンターと、そこでカルテを書き込む俺。
周りでパタパタと動き回る先輩ナースに、ドクターがちらほら。
何でも無い日常の病棟風景だった。
~♪
「キター!雨音君着たわよ704室からナースコール!」
そこに響き渡る何だか軽快なメロディーと、ウチの病棟ナース主任の何故か歓喜した声。
病室の番号が並べられた掲示板に、チカチカ点滅するランプが704号室の文字の隣で光っていた。
「何でそんなに嬉々としてるんすか主任ー!ってか先輩方も!」
「ほらほら早く取りなさいナースコール」
それまでそれぞれの仕事をしていた人達だったが、手を休めて俺をニヤニヤと傍観し始める。
ってかドクター!あんたもか!
大丈夫なのかこの病院は!?
「…はい、どうなされましたか?」
取りたく無いのは山々だが、取らない訳にもいかずに周りに急かされながら渋々と設備された受話器を取る。
「陸汰?寂しいから会いn」
ガチャンと言い終わる前に受話器を戻した。
俺は何も聞いていない。
俺は何も聞いていない。
「ナースコールはラブコールじゃないわよ~雨音君」
「主任なんて嫌いだ」
「何か言いました?」
「言ってません!!」
看護師(特に先輩女ナース達)は敵に回せません。
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