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「鬼は………まぁ蹴り飛ばした。それより早くここから逃げるぞ。あいつが追って来ないうちに」
涼は立ち上がりすぐさま体を反転させて廊下を走りだす。それをセイが追い、さらに遅れて瑞樹が続く。しかし三人が二階の廊下に差し掛かった時、セイが「待て!」と声を上げた。
「………………近い。やはりあの程度では動きを止めることすら出来ないか」
「やっぱり喋るのねこの猫…………」
「くそっ、とりあえず近くの部屋に隠れよう」
セイは苦笑を浮かべながら皮肉まじりで呟く。涼は瑞樹を無視すると辺りを見渡し、近くの教室へと逃げ込んだ。
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