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「今だ瑞樹!!」
涼の声に呼応し、瑞樹は鬼の周りに風の渦を作る。しかしそれは決して殺傷能力を持ったものではない。大人が巻き込まれれば尻もちをつく、それぐらいの風でしかない。しかし鬼はその風に困惑し動きを止めている。
よく見るとその風は何かを巻き込み、あたかも白い壁が存在しているかのようだった。
それを見た涼はニヤリと笑うとポケットから一枚の紙切れを取りだし、魔力をありったけ込め始めた。
「今だ!涼、やれ!!」
セイの合図で涼はその紙切れを鬼の方へと投げる。真っ直ぐに鬼へと向かっていった紙切れは瑞樹の風の壁に巻き込まれると風に乗り鬼の周りを高速で回り出す。
……1
「みんな、逃げるぞ!」
涼は窓を開けながらそうそう叫び、セイと瑞樹も窓へと走る。
……2
三人は躊躇することもなく二階の窓から出来るだけ遠くへと跳ぶ。
……3
その瞬間に家庭科室から目を焼くような閃光が放たれる。その閃光はすぐに爆炎に変わると轟音を立てながら家庭科室、そして上と下の教室に加え二階全土を巻き込み大爆発を起こした。
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