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三人は先程の銃声が何だったのか気になりながらも、近づいてくす鬼に対して身構えるが、三人と鬼の間に一人の男が割り込んだ。
「ガアァァァアア!!!」
鬼はそこをどけと言わんばかりの咆哮をその男に向けて放つが、その男はまったく動じる様子はない。
「うるさいなぁ。あれだけ暴れたんだからそろそろ静かにしなって」
そう呟いた男は右手を空へと突き上げる。その途端燃え盛っていた校舎の炎が男の右手に集まってゆく。
校舎の炎の大部分を集約した男の右手の上には巨大な炎の球体が出来あがっていた。
「鬼は鬼らしく、地獄の業火の中で大人しくしてなよ」
辺り一面を明るく照らすその小さな太陽を、男は鬼へ向けて投げつける。
直撃した炎の球体は鬼がいる場所を中心に渦を巻くように拡散しながら燃え広がる。男は涼達の前に立つとその炎から涼達を防いでいた。
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