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大通りに出た車は数台の消防車とすれ違いかがらもどこかへと走って行く。サイレンが聞こえなくなったところで瑞樹が意を決して口を開いた。
「あ、あの!一体これからどこへ行くんですか?」
「ん~、言ってもいいのかな彩音?」
「どの道これから行くんだ。好きにしろ」
「佐伯先生まで!?なんで日下先生と…………」
彩音はフロントミラーを回すと涼達と鏡越しに目を合わせる。
「簡単に言うと同業者だ、教師以外のな」
「冷たい言い方だなぁ。パートナーって言ってよ」
彩音の方を見ながらそんなことを言う薫、その顔を見ることもなく、彩音は小さくため息をつくと「もう少しで着くぞ」と言いフロントミラーを元の位置に戻した。
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