失われた力

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「彩ちゃん、ここからは私が。…………それで、あなた達にここまで来て目的は二つ。まず一つは今回の事件の真相を喋らない事、もう一つは、あなた達にアストライアに入って欲しいの」 「えっ…………」 「えぇ!?どういう事ですか!?」 涼の驚きの叫びを遮るほどの大声を上げた瑞樹は身を乗り出して玲子に問いかける。 「口封じ………確かにそれもあるわ。でもそれ以上に一般人が鬼を相手に戦ってかなりの傷を負わせるなんて、しかもそれが高校1年生だなんて信じられないわ。だからあなた達の才能を見込んで入局を進めているの」 「学生だからバイトみたいなものになるが、ちゃんとバイト代は払うし、学校よりもレベルの高い魔法の指導を受けることが出来るぞ。そっちにもそれなりの利益はある」 「君達なら平気だよ。それに僕達がちゃんと守るし」 玲子達の言葉を聞いた涼達は押し黙ってしまう。その様子を見て玲子は頬笑みながら「答えは明日でいいよ」と言うと彩音に涼達を家まで送るように指示をした。
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