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それから重い体と心に鞭を打ちながら登校した涼は啓吾に「おはよう」とだけ言うと机にへばり付き顔を伏せた。
「相変わらずバイト大変そうだな」
「まぁな………昨日も夜遅くまでバイトで眠いのなんのって」
寝る体制を維持したまま啓吾と朝の談笑をしていると、啓吾が思い出したように涼に話を振る。
「涼も登校して来たときに気付いてると思うけど、昨日の夜この学校で火事があったんだってな。しかも誰もいない校舎の家庭科室から火が出たらしい。これは事件なんじゃないか?」
(盛り上がっているところ悪いが、それ犯人俺だから………)
一人で「これは事件だな!」と盛り上がっていた啓吾に対し、涼は苦笑いを浮かべながら「そうだな………」とだけ返した。
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