1057人が本棚に入れています
本棚に追加
「…………私達を、アストライアに入れてください」
「俺達も先生方の仕事を手伝いたいんです」
迷いのない言葉を告げた二人を、彩音は何も言わずにジッと見つめる。
品定めでもするかのような視線を二人に向けた後、彩音は少しだけその視線を睨むように細めた。
「どうしてそう思った?」
「……………え?」
「こちらとしては猫の手も借りたい状況だ。入局してくれると言ってる人間を歓迎はしても拒むことはない。…………だけどな、私が言うのもあれだが、この仕事は危険も多い。それを分かった上でその答えを出してくれたのにも感謝してる。ただ、その答えに至った理由だけは聞かせてくれないか?」
最後の試験、彩音にとってこの質問にはそんな意味もあるのだろう。
それに感づいた涼は何と言うべきかと言葉を選んでいたが、彩音の真剣な目を見て考えるのを止めた。
最初のコメントを投稿しよう!