Reality in the Wonderland

レイニーディ

濃い目のコーヒーの苦味が身体中にまわり、徐々にしゃっきりと醒めてくる。

時計代わりにテレビを点けて朝の情報番組が今日の朝刊のニュースをピックアップして伝えている。
他愛ないニュースだったけど見入ってフライパンの上、ベーコンをひっくり返すのを忘れていた。

煙が換気扇に巻き込まれていく。
慌ててひっくり返した。
しかし思ったより焦げていない。
夫の大好きな程よいカリカリ、と言ったところだ。

既に出来上がっているスクランブルエッグにベーコンを添えた。

うっすらと茶色く焼き色がついたトースト。
色とりどりのサラダ。
コーヒーとオレンジジュースとヨーグルト。

すべてをテーブルに並べたと同時に。

夫がリビングに降りてきた。