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そんな中を、
ひとりの青年が通り過ぎる。
生まれも育ちもこの島である青年を、
知らない者はいない。
逆に青年も、
生まれも育ちもこの島の人を、
知らないことはない。
こじんまりとした島なので、
みんな知り合いだ。
青年は、
あちらこちらから声をかけられる。
鮮やかな金髪で、
琥珀色の瞳。
まだあどけなさが残る、
人懐っこい顔立ち。
ほどよい長身で、
鍛えられた筋肉は、
その存在を主張しすぎない程度である。
彼は、
この島で一番の実力を持つ。
つい先日の、
島中の男を集めて行われた剣技大会で、
あっさりと優勝した。
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