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「はぁ、疲れたな。」
男は、公園のベンチに座り、コンビニで買った缶ビールを手にため息をついていた。
「なんで俺の担当する地区は、ガードが堅いかね…。」
男は、再びため息をつき、手に持った缶ビールを一気に飲み干した。そして、中身がなくなった缶をゴミ箱に向って投げ捨てた。しかし缶は、ゴミ箱のふちにあたり、音を鳴らし地面に転がった。男は、転がった缶を見て三度目のため息をつき、立ち上がり、ゴミ箱に近づいた。缶を拾い上げゴミ箱に捨てようとしたその時、持っていた缶が真っ二つに切れ、地面に落ちた。
「え?」
男は、今起きた出来事が理解できなかった。
自分の目の前にあった缶が何かに斬られた。
(なにが起きたんだ?)
男は、混乱しながら必死になって考えた。
(何で缶が斬れたんだ?何が斬ったんだ?)
男が呆然としていると後ろから獣じみた息使いが聞こえてきた。男が振り返るとそこには見たこともない怪物が立っていた。
「ッ…!」
男は、声が出ないほど驚き、その場に座り込んでしまった。怪物は両腕が刃物になっており、何かを斬ったのか、刃からしずくが落ちていた。怪物は、腕を払った。男はそこまで見ていたがそこで記憶がなくなった。気づくと首のなくなった自分の体を見ていた。そして男の意識がなくなった。
「殺したのか?」
怪物が、男の死体を見降ろしていると背後から声をかける人物がいた。怪物に声をかけた人物は、手に持っていた鞭を怪物に向って振り下ろした。怪物は悲鳴をあげて倒れた。
「バカ者が。あれほど人間を捕まえろと言ったというのに。」
その人物は怪物を怒鳴り、男の首を持ち上げた。
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