第壱章

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「目、覚めたのね」 慌てて振り返るとそこには巫女さんが一人。手にはお茶。どうやら足元に置かれたお煎餅の皿からずっと此処で私を看ていてくれたらしかった。 「あ…は、はい…えっと…貴女は」 「私は博麗霊夢。この神社の巫女」 霊夢と名乗った巫女さんはそのままそこに座り込んでお茶を啜る。 「は、はぁ…えと、あのぅ」 「何かしら?」 「…私、空掛時雨といいます」 「そらかけしぐれ? 変な名前ね…別にいいけど」 「…」 「…」 まずい。話すことがない。 だんだん重くなっていく空気にどうしようかと悩み始めた頃、突然別の声がした。
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