第一章~逃走~

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   彼を心配してくれた、あの若い女性………自分は伝えるべきことは伝えた……伝えたが、そこに意味がないことは理解していた。理解していたからこそ、それがさらに重く彼の心にのしかかっていた。  私は無力なのだ………。  その証拠に、菅井は二人を見返すことができなかった。いまでさえ、バックミラーに視線を移すことが出来ないのだから………。 .
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