第一話

9/26
前へ
/73ページ
次へ
「この低能民族めが!足どかせ!ノロノロと遅すぎてケツから反吐がでるわ!」 遅すぎるとケツから反吐が出るのか…って、普通、ケツに根がはる、じゃない? やっぱりいまいち日本語がおかしいんだよな、この宇宙人どもは 大和は面と向かってツッコむ勇気がないので、胸の内で静かにツッコむ 大和はサドルに座ったままペダルから足を離した 「山本!しっかりついてこいよ!」 タカナがそう言ってペダルに足を乗せたと思ったら、グンと自転車が前向きに引っ張られるような感覚が大和の体に起きた 「うわっ!こ、呼吸がっ!息苦し…!」 「ヒャッハァァァァァ!」 どんどんと加速する自転車に、どんどんと増す空気抵抗 ああ危なっ…! しし死ぬっ…! 大和は空気でひきつるまぶたや唇の痛みに耐えつつ、精一杯の根性と意地でハンドルを握っていた
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加