入学式

16/16
前へ
/369ページ
次へ
  呆れられた……。 しょうがないか。 目の前にこんなにしつこくてうざったい女がいればね…。 そう思っていると、頭の上に何かがのったような感覚がした 見上げると、そこには先程の歪んでいた顔じゃなくて少し不器用に微笑みをうかべた金髪少年の姿があった。 そして私の頭にのっているのは彼の手だと気付く。 私は男に触られているのにも関わらずその手を振り払おうとは思わなかった。 『俺、橘信也。ここの2年だ。 しょーがねーから、俺がまもってやる。なんかあったら言え』 そう言った橘信也は少しはにかんで、綺麗な笑顔を見せた。 良かった…。 この学園にきて友達ができた。 橘先輩――…。 彼と出会ったことで、男嫌いが治るなんて、思ってもみなかった。 .
/369ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6860人が本棚に入れています
本棚に追加