親の思い

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  そうだ…、お母さんたちに電話…っ 「…先輩、ちょっと電話、してきてもいいですか?」 少し遠慮がちにそう言うと、先輩は頷いてくれた。 私は離れたところに行って、電話をかけた。 機械音が聞こえたあと、かちゃっと受話器をとるおとが聞こえた。 《もしもし、村瀬です》 「…あ…っ…お母さん…?」 《…心優?》 「これ、どうゆうこと?」 私はイライラを隠しきれず、少し怒り気味に質問した。 《…ごめんね心優。 私たちも、これが精一杯で。 心優が女子高に入りたいっていう理由も知っているけれど…どうしてもそういうわけにはいかなくて。 だから都内の一番学費が安い学園を 守山先生に紹介して頂いたの。 でもそこが今年から共学になる男子校だなんて心優には言えなくて…。 推薦をとれたというのはその学園での話なの》 「それでも言ってほしかったよ。しかも全寮制なんて……」 .
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