天敵

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  私は思わず目をそらしてしまった。 恥ずかしいという気持ちもあったけれど、驚きの気持ちの方が大きかった。 橘先輩私のこと見てた………? 目が合う前から、見られていた気がした。 どうして……? そんな一部始終を見ていた男が、一人。 突然誰かが私の顎を突然優しく、つかんだ。 そしてその手を少し上に傾けて、私は顔をあげた。 その瞬間目の前には迫ってくる赤い髪の男の顔。 なにが起こったのかわからなかった。 唇には生暖かいもの。 私の唇と同じ形のもの。 気付いたときには遅かった。 その唇にあたっていたものは、離れていた。 .
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