ゲーム開始

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  あれから1週間経っても、特に何もなかった。 私が宣戦布告してからは、赤髪野郎とは一言も口をきいていない。 それどころか会うことがなかった。 諦めてくれたのかもしれない…。 今思えば馬鹿げた話だし。 きっとあっちだってそう思ってる。 いっそこのまま無かったことに―――。 『心優ちゃあん!』 廊下を歩く私の背中に、誰かが私の名前を叫んだ。 と、同時にその声の主はずっこけていた。 なぜなら私が彼のハグをかわしたから。 危ない……! もう少しでだきつかれるところだった。 私の名前をよんだのは、食堂で出会った上原先輩のようだった。 『ひどい! 痛かったじゃん心優ちゃんのば…っ』 上原先輩は私を見上げた。 その瞬間、上原先輩の目が凍りついた。 .
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