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「止血しなきゃ!
先輩、私の膝に仰向けに頭をおいてください!」
私は離れていた距離をどんどん縮め、
その場に座り込んだ。
上原先輩はおろおろしている。
その間にも鼻血はぽたぽたと。
「…早く…っ!制服汚れちゃいますよ!?」
私は上原先輩の手を引っ張り、無理矢理膝枕をさせた。
そして先輩の鼻にティッシュを押し当てる。
少しの間、ティッシュで押さえていると
血はとまったみたいだ。
ほっとした瞬間、体が震えだした。
やばい……。
私、男嫌いなのに…
『心優ちゃん、怖いの?』
…え…?
ゆっくりと目を落とした先には真剣な顔をした先輩。
『俺が…、怖い?』
そう言った先輩は悲しそうだ。
「ごめんなさい…」
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