進路指導

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  静まり返った教室。 そこで私は担任と話をしていた。 グラウンドでは部活動中の人々の声が微かに聞こえる。 先生は重いためいきをついた。 『共学は無理なの?』 「絶対に絶対にいやです」 私は"共学"という単語を断固拒否する。 『女子校かあ………』 だけど先生は私の熱意をなかなかくみとってはくれない。 「本当に無理なんです。共学だけは、避けて通りたいんです」 すると微かに先生の溜め息が聞こえた。 それは諦めを示した溜め息と思えた。 『わかった。 …だけど女子校となると私立になるでしょう? それに村瀬さんが希望している学校は全寮制だし…。 そうとなれば親御さんにも負担がかかるだろうし…。』 「う………っ」 確かに決して裕福とは言えない私の家庭。 さすがに両親を困らせるわけにはいかない。 『だから、女子校は――…』 「大丈夫ですっ!」 .
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