橘 信也

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女はそう言った。 仕方なく、俺は男を殴り続けていた右手をひいて 野郎から離れた。 そして女の手を引き、花園から出た。 そして女の方に振り返って怒鳴り散らした。 「お前、なんでこんなとこいんの? 女だろ?」 すると女は少し涙を含んだ大きな目で俺を睨んだ。 『親に…騙された……。 …ってゆうか!手、離してください。』 俺はその発言を無視し、怒鳴り続けた 「お前ここどこだかわかってんの? 元男子校だぞ男子校! 今年から共学になったんだよ!」 女はぽかんと口を開けてこちらをみている。 そんなこと、知らなかったかのように。 .
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