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『心優ちゃ~ん』
ざわざわとした食堂に、誰かが私を呼ぶ声が響いた。
知らない男が、こちらに向かって歩いてくる。
「な…、何かようですか?」
『これ!
橘から♪』
そう言って男の人は私に紙を渡すなり、去っていった
橘先輩から…?
《心優へ
心優にちょっと言いたい
ことがあるんだ。
中庭にきてくれないか?
橘より…》
なんで手紙?
口で言えばいいのに……。
『行ってきなよ
サンドイッチでしょ?
頼んどくよ
早く帰ってこいよ?』
亮治はそう言って受付の方へと向かった。
行ってこようかな…。
私は気付かなかったんだ
手紙を、ちゃんと読まなかったから―――…。
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